2008年2月17日日曜日

藤沢周平「時雨のあと」

NHKの「わたしの藤沢周平」が読んでみようという気にさせた「時雨のあと」。人情味があって、ぬくもりややさしさがあって悪くない。解説では庶民や下級武士の人情の世界を叙情的に描いているのが藤沢文学の美質だとしている。こころの時代をブームの背景ともする。それはそれでそうかなと思いつつ、藤沢周平の女性の描き方が気になる。登場する女性は概ね、耐える女だったり、けなげな女だったり、待つ女、はかない女、それでいて芯はしっかりした女・・・・、それが気に食わない。これは藤沢周平氏の価値観にもよるのだろう。もっと違う女をどこかで描いているのだろうか。

0 件のコメント: