2008年2月17日日曜日

あの頃、神戸で①ジャズ喫茶

70年代の半ば、神戸で4年間過ごした。特段何かに熱中していたわけでなく、一応大学へは行き、帰りには友人と六甲の喫茶店に入り浸り、一人のときは小説を読み漁り(この頃はドイツ文学をずいぶん読んでいた。ドイツ語は全くモノにならなかったけど、罪滅ぼしか)、住んでいたところは神戸の西の方の海岸だったので、夜は瀬戸内海航路を通る船を眺めながら本を読んで過ごした。今思えば本当に単調な生活だったと思うけど、そういうことで何の不満もなかった。バイトは普段は大学の研究室のバイトだけで、夏と冬のシーズンだけ、元町にある百貨店の伝票センターで働いた。夏は涼しいからというのが結構働く動機だったし、伝票センターは結構かわいい女の子が多かったのも続いた理由かもしれない。このときのバイト代で買ったのが、ブルーベルのギターとフラットマンドリン。
そんな頃、所在ない、持て余していた時間を一番過ごしたのは三宮と元町のジャズ喫茶。これらの店には一人でしか行ったことがないように思う。震災もあって、残念だけど、そのまま残っているものはない。
まずは、『とんぼ』。元町駅北口の雑居ビルの2Fにあった小さい店。記憶では、カウンターに3人ぐらい。壁際の長いすに2、3人、真ん中に4人掛けのテーブルがあったように思う。入り口近くにも席があったか?カウンターはいつも常連さんがいて、私の席は壁際の長いす。ここがいつも定位置だった。コーヒーはまずかったし、椅子は堅かったし(薄い座布団が申し訳程度におかれていた)、何を聴いたかももう忘れたが、一番たくさん通った店。あんなに通ったのにマスターと話したこともない。不思議なことだ。
次いで、『さりげなく』。ここも震災でなくなった。サンセット通りとトアロードの角の地下1Fにあった。元町から三宮間の阪急の高架の山側の通りがサンセット通り。誰がこんな名前をつけたのだろう。この店はきっと名前が好きだったのだろう。カウンターだけのお店だったように思う。余り居心地が良くなかったのかもしれない。とんぼと一緒でここもコーヒーはおいしくなかった。地下なので、時々虫が出るのがいやだった。
最後に、『木馬』。ここは、三宮のミュンヘン大使館の地下1Fにあった、上の2店より綺麗なお店で、お客さんに女の子もいたように思う。ここは名前を変えて、下山手通でお店が続いているらしい。
ジャズ喫茶には結構通っていたけれど、この頃はマイルスは受け付けなかった。ソニーロリンズはもう聴きはじめていたと思うが、ジャズについて勉強した記憶がない。スイングジャーナルを買った時期もあるが、この頃買っていたのだろうか?

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