2008年2月20日水曜日

あの頃、神戸で②「二五」

70年代半ばから後半にかけて4年ほど神戸の塩屋というところで暮らした。前は海、後ろは国道2号線、JR、山陽電鉄、そして六甲山から続く山々の狭い場所に建つ集合住宅で4年間暮らした。毎日海を眺めて、夜は瀬戸内海航路の船の明かりが美しく、こんな時間が就職してからもずっと続けばいいと思っていた。・・・が、結果は東京へ。望んで入社した会社だったし、東京も悪くなかったが、あの4年間は夢のような時間だったのかもしれない。
その塩屋の2号線沿いに「二五」はあった。カフェというより、バーレストランであるような粋なリゾート感がある店だった。お店についての記憶はもう断片的なものでしかないが、サンドイッチがおいしかった記憶があるのと、深夜に行くと舞子あたりのラブホテル帰りのカップルが結構いて、一人で本を読みながらビールを飲んでいると、なにか落ち着かなかった記憶がある。あたりには異人館が結構あり、その前の時代に流行った佐川満男の実家?があったりして、ちょっと非日常的な場所にある店だった。私が住んでいた集合住宅も週末のリゾート利用の家が多く、普段は半分も住んでいなかった。そんなこんなで、「二五」の客も遊び人が多く、何とはなしに心地よく崩れた感じが店に漂っていた。音楽は何が掛っていたのだろう。「二五」という名前も午後二時開店、朝の午前5時閉店ということからの名前ではなかったか。潮の香り、波の音と、沖合いを航行する船、異人館と、そんな雰囲気にぴったりのカフェ。湘南ほどの規模はないが、外国風のにおいがあるいい場所だった。

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