2008年1月27日日曜日

マイフェイバリットソングス⑤荒井由実「ベルベットイースター」

ベルベット・イースター/小雨の朝/光るしずく 窓にいっぱい 
(省略)  
空がとってもひくい/天使が降りて来そうなほど/いちばん好きな季節/いつもとちがう日曜日なの

ベルベット・イースター/きのう買った/白い帽子 花でかざり
ベルベット・イースター/むかしママが好きだった/ブーツはいていこう
(以下省略)

大袈裟に言えば、日本の音楽を変えた一曲だと思います。
1973年11月に発売された記念すべきファーストアルバム「ひこうき雲」に収録されていた曲。それまでの日本の歌謡曲やフォークとは全く異なるものがここにはあった。この曲を含め、「ひこうき雲」に接したときの衝撃はその後ないほどの強いものだ。一番はじめは多分TBSラジオで聴いたのだと思うが、これだ!と直観した。大袈裟に言えば、日本が変わる予感がした。透明感、まぼろし、霧の朝、けだるさ、アンニュイ、孤独感・・・。少女だけが持つ幼さと大人の中間にある未熟なときにしかない感受性から生まれる表現。しかし、その当時のユーミン以外の同世代の少女たちが持っていたものとは全く異なこれまでの日本にない、新しくて、洗練されていて、魅惑的な感覚。
そして、今この詩を読み直してみると、映像にしてみたくなる。しかし、それはこの世界を冒涜することになるのだろうが・・・。
山下邦彦という人が書いた『甦れ、ユーミン!』(太田出版)によると、坂本龍一が「いちばん好きな曲」というのがこの「ベルベット・イースター」なのだそうです。

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