2008年1月21日月曜日

私の好きな本③片岡義男「アップルサーダーと彼女」

冒頭2つ目の短い文章「トーストにベーコン・アンド・エッグス、そして紅茶」は、僕の片岡義男が好きな感覚的なところを最も代表した作品だ。
”トーストにベーコン・アンド・エッグス、オレンジジュースと熱い紅茶、そして日本では普通クレソンと呼ばれている草をひとつかみ、こんな朝食も悪くない。”
こんな文章で始まる。「アップルサーダーと彼女」は79年11月初版発行。あの頃、入社してすぐの頃、片岡義男の作品はずいぶん読んだ。バイクには縁がなかったが、片岡義男の小説に出てくるようなライフスタイルをめざした。この頃、トーストは4~5枚切りの厚いものにしてた。クレソンも少し苦いと思いながら、その頃よく作っていたポテトサラダの付け合せによく買った。小金井の明治屋でキャンベルスープを買い、コーヒーは手動のミルで豆をひいた。食器はその頃青山にあったオレンジハウスによく行った。・・・という具合に、少々アレンジしながら、自分なりの心地よい時間の過ごし方を、片岡義男の小説をテキストにしながら、少しずつ作り上げていった。

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