2008年1月19日土曜日

私の好きな本②田村隆一「詩人のノート」

1978年6月に三宮のkobeブックスで買った本。30年たっても旧くならず、いまだ大切な本。ずいぶん手に取っているから、ノートのビニールがぼろぼろだ。西脇順三郎の詩が取り上げられていたことが、僕を田村隆一に近づけた。田村の西脇信者ぶりもすごい。
この本は田村隆一そのものといってもいい本だ。西脇や自分をはじめとした詩や様々な詩人について(田村にとっての詩は生活そのものといっていい)、旅行のこと(意外にも結構行っている)、鎌倉の話(銭洗弁天や谷戸の話はここで知った)、そして何より酒の話(酔って機嫌のいい田村の顔が浮かぶよう)・・・、いろいろな話がここには詰まっている。。田村隆一は詩人だが、僕はこういうユーモアがあり、詩的センスがあり、おおらかな散文の方が好きで、肩に力の入ってない自然な文体が好きだ。詩では「青いライオンと金色のウイスキー」という詩があるが、この雄々しい感じが田村そのもののように思う。
1998年の8月に亡くなっているから、10周忌だ。

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