2008年8月28日木曜日

wednesday

はじめての長いポエジイ。・・・・・では、

柔らかい女性ジャズボーカルが店の隅々まで届く空間
外はてんとう虫柄のテーブルクロスの机
その向こうを午後8時過ぎであることに関係なく、自転車で疾走する男
そして、机の脚もとには、お店の看板猫
交差点は信号が待ちきれない車が、
大桟橋帰りの人たちが、そそくさと通る
樹皮が街灯に照らされて存在感を示す樹齢深い木々
メニューを見ては通り過ぎる男女
何かこのお店のメニューに不満があるのだろうか
選びにくいのか、too muchなのか

曲が変わり、
これから大桟橋に向かう男女
初秋の大桟橋で愛でも語ろうというのか
そんなことは遥か昔、嫉妬と妬みとジェラシー・・・同じことか
まだ、8月だけど、空気と風は、もう夏の匂いを失っている

僕はきっと何かを取り戻したいんだろうと思う
今日一日を何かに捧げてきたから、なくしたものを取り戻したいのだと思う
思うまま食べて、そしてビールを飲んだ、ビールをガラスのボトルからそのまま飲むのはスローライフっぽくていいね
いつものラッキーストライクをふかせ、読み始めたばかりの小説の縦組みの活字に目を滑らせる
外の気配と流れる音楽に包まれた時間
静かな音楽と空調の音
この場所では時間はゆっくり、ゆっくりと流れ行く

僕はこの場所で誰かを待っているのかもしれない
そうでないなら,別れた誰かとの記憶を洗い流すためにここにいたいのかもしれない
右折する車の動きが、美しいと思うことはないだろうか
何かに逆らって動いているようにも思う
こういう時間にはポエジイが書ける

時々交差点を行きすぎる車のヘッドライトが眩しいのだが、
それはそれで心地よかったりする
眠くなってきたし、アルコールも回ってきて、だるく、
もう今日は終りだね
こういう過ごし方をしていると、Wednesdayが好きになりそう

もう書くのはやめようと思っていたけど、
今、目の前を通り過ぎたのは何というタイプの自転車なのだろう。
こんな時間に、寝そべって漕ぐ自転車で走る奴がいる
一日の仕事を終えて、大好きな自転車にまたがっているのか?
この辺は浮世離れした奴が住んでいるんだなと思う

こうやって外で、自分の好きな空間を作って、自分だけの時間が過ごせるのは素敵だ
でも、お客さんが来ないから、帰れないなあ
そうしたら、外に出ていたらしいお店の猫が戻ってきた
「もう、帰る時間だろ、帰んなよ」とでもいうように
黒猫も店の奥から、顔を覗かせていた

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