2008年8月9日土曜日

トーマス・マン「魔の山」

大学生以来で、読みはじめた。
ハンス・カストルプという主人公の名前はよく自分の中に記憶されている。
この本は最後まで読んだと記憶しているが、だから主人公の名前がよく記憶されているのかもしれない。
活字が大きくなって読みやすくなったと知り、また読んでみたくなった。
しかし、巻頭の一文は上下巻おそらく1400ページあるこの小説を読み通すのをためらわせるものである。
いわく、「作者はこの物語を手短かに話し終えるわけには行かない。いちばんいいのは、どれほど地上の時間が経過するか予定を立てないことである。まさか七年とはかかるまい」
いやはや、とんでもない小説である。とんでもない覚悟を求めている。
時間観念が異なる時代の小説を現代読む、現代読んでも掛かる時間は同じなのだが、読み通す意味はどのように考えればいいのだろうか?

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