2008年4月21日月曜日

塩屋の夜の海

74年の夏前から79年の冬まで、僕は塩屋の海を眺めて過ごした。それは、ちょっとした”擬似”ではあったけど、リゾートライフのような生活であった。
塩屋の夜の海は饒舌で、瀬戸内海航路で九州と関西を結ぶフェリーや、夜中も運行している須磨港から出ている淡路島航路の船や、その他にも多くの船が夜の塩屋の前の瀬戸内海を行き来した。
鎌倉の夜の海は寂しくて、夜、深い時間でなくとも海で佇むのはつらい。塩屋の夜の海は賑やかだった。だから飽きないのだ。
それにつられて僕は夜更かしをし、時には朝までベランダで過ごし、時には腹がすくと近くの明け方まで開いていたレストランバー?とでもいうべき今や伝説の「二五」にサンドウィッチを食べに行って、夜の瀬戸内海を楽しんだ。とにかく、コンビニはまだその当時なかったのだ。
季節のいいとき、ベランダで安物ではあったけどデッキチェアーで本を読んだり、まどろんだり、あと何をしていたのだろう。まだワインなどは飲んでなかったし、余り酒を飲んだ記憶もない。ベランダにいると、1Fにあったレストランの料理のいい香りがいつも漂ってきた。それは、南仏やあるいはヨーロッパの海岸リゾートの気配を感じさせてくれた。
今もオープンエアの店がすきなのは、こんなところにも関係しているかもしれない。

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