2008年7月30日水曜日

深夜特急2

マレー半島を南下する旅は、香港・マカオに比べると熱に浮かされることのない旅だったようだ。
一言で言えば、香港の猥雑さ、マカオのカジノのスリルといった強い刺激が不足しているということか?
バンコクでは、“誰にあっても胸が熱くなることがない”と感じ、何もない街に行ってみたいと列車を降りたチェムポーンという街も魅力は感じられず、ペナンは少し長居をしたが、それは宿が面白かったからにすぎない。首都のクアラルンプールにも着いてすぐ“何かが足りない”と感じて、足早に次を目指す。そして、シンガポールにも。
それは、ずっと香港の影を求めていたからだったのだろう。マレー半島の魅力は香港とは違うスケールで感じるべきはずのもの。刺激の強い香港のあとでは感じにくい類のものだったのではないか?行ったことがないからわからないけど。
・「金がない」といいながらも、私はあくまでも贅沢なことをしている人間である・・・という自覚
・目的地を決めずにバスに乗り、適当なところで降り、そこから歩いて宿まで戻ってくる・・・という旅
・行きたいところに行き、食べたいものを食べ、見たいものを見る、心残すことなく、急がずの旅
こんなフレーズが心に残った。読むのにスピードがついてきた。
しかし、この人は踏み込んだ人間関係をつくれる人だと感じた。もっとすごいのは小田実だったが。

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