2008年7月31日木曜日

深夜特急3

この巻はインド。”これがインドっていうわけさ”というよりも、もっとインドの現実は重かった。
悲惨も滑稽も崇高も卑小も全てがあるカルカッタを、香港以来の熱狂でうろつきまわった。香港では影だと思っていたものはカルカッタでは眩しいくらいの光にみえるほどだった。残飯を漁る老女、ねずみの大群、小額の金で体を売ろうとする7,8歳の少女。絶望的だ。
その後、ブッダガヤ、アシュラム、カトマンズを経てたどり着いた聖地ベナレスは死の匂いがする街だった。無秩序な街、そして迷い込み一日半死体焼き場を眺め続けて沢木は病に伏す。まるで焼かれた死体にあたったかのように。そして命からがらデリーにたどり着く。
それにしてもインドの列車の乗り方の話は過酷だ。荷物棚で寝るほうがいいというのはどういうことなのか?想像がつかない。沢木は観察力で旅をしている。
しかし、ナマステ(こんにちは)とは綺麗な言葉だ。

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