2008年6月19日木曜日

「何でも見てやろう」②

この本はもっと早く、それも若いときに出会っておくべき種類の本でした。
小田実のすごさがひしひしと伝わってくる。”貪欲”という言葉はこの男のためにあるようなものだ。
アメリカ南部でも、メキシコでも、インドでも、その入り込む力はすごいとしか言いようがない。
小田実の文化論は研究した文化論ではなく、体感した文化論で、更に現地に入り込んだ文化論で、そこがすごい。おまけに背景として、それなりに日本で勉強してから行っているから強い。
各国に行き、見て、感じて、現地の人間と語り、考え、「何でも見てやろう」はそういう旅だ。そして、結局は日本とは、日本人とはということを考えている本だ。上っ面を撫ぜただけの旅ではない。本物のすごい男がここにいたという印象だ。
1958年、26歳の時の体験。勉強して、少し成熟してから行ったことも深い旅にしている。
五木寛之と並べて読んだことに反省!

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