2008年3月27日木曜日

山下哲也の立居振舞い

歴史あるパリのカフェ、カフェ・ド・フロールの日本人初のギャルソン、山下哲也を紹介する番組が26日深夜NHKであった。遅い時間に疲れて帰宅して何気なく見たTVだったが、すっかり引き込まれた。表参道のフロールで働いていた山下は本店で働くべくパリへ向かう。右利きの白人しか採用しない(左手でお盆を支えるから右利きなのである)という本店に苦労の末就職する。本店で働く山下の立居振舞いは素晴らしい。役者のような美しさで店の中を机と椅子の間をぬって、自由に無駄なく、客のそぶりを見逃さずに動く。山下を求めてくる客も多い。その裏には、そのための完璧なまでの準備はある。シャツのアイロン掛け、革靴を磨く、まさにギャルソンの美学。フランス人のギャルソンより、ギャルソンらしく、日本人の決め細やかさが加わって、その振る舞いはオリジナルなギャルソン以上の完璧さとなっている。まさに、リスペクトすべき存在といえる。その山下が聴いていたU2の”Electorikal Storm”。成熟した大人のための音楽。

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