2008年12月13日土曜日

矢作俊彦「悲劇週間」

「大きな構想力」とは「大きな妄想」ということかもしれない。それほどこの本はすごい。ヒロインのフエセラのキャラクターづくりは素晴らしい。読ませる力、取材力?、ガッチリした文章、実に見事。
堀口大学が公使の息子として2年間その当時日本にとって親しい国であったメキシコに行っていたという事実、そしてその当時のメキシコ革命前期という時代背景、軟派な文化人でもあった大学、という3点から構想というか、妄想のようなもので練り上げられた見事な物語。いやはや、である。一気に週中に600ページを読んだ。

0 件のコメント: