2009年9月13日日曜日

「アンリ・リヴィエール展」

“フランスの浮世絵師”というサブタイトルの展覧会が葉山の県立近代美術館でひらかれている。なつかしい、親しみのある画風は浮世家風というところからきているのだろう。
リトグラフ・油絵・木版・水彩・写真・影絵など、一生の中でいろいろなものを手掛けている。回想録にも「紆余曲折の道」というタイトルが付けられているが、なかなか評価されなかったのだろう。一生を多く旅で過ごしているのも「紆余曲折」か?
浮世絵のブルターニュの海岸の景色はブルターニュには見えない。全く日本のよう。しかし、建物や人が画面の中に入ってくると、日本とフランスが混ざった不思議な感覚が現れる。
建設中のエッフェル塔をずいぶん題材にしている。これが日本風の版画のような感じであるのは面白い。
あと、同じ版木で摺り色を変えると、時間の移り変わりが表現できる。これは版画の面白い特徴である。この美術館で行われる展示会で展示される作品は、いつもどこか三浦半島や葉山の風土を感じさせるものがあることが多い。今回も、岩場や入り江やヨットなど三浦半島っぽい作品がいくつか見受けられた。

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