2010年8月4日水曜日

私自身のための優しい回想

冒頭のビリー・ホリディの話がいい。
”ニューヨークは・・・潮の香に、昼はガソリンのにおいが、・・・夜はぶちまけられた酒精のにおいが混ざる”この街は扇情的で、幻惑的だ。テネシー・ウイリアムズもヌレエフもいいが、最後の晩年のサルトルがまたいい。偏愛ともいえる愛情がサガンの愛なのかもしれない。
”愛読書”の中のランボーの”イリュミナシオン”の紹介でランボーに目が開かれた。
「ぼくは、夏の曙を抱いた。宮殿の正面では、まだ何ひとつ身じろぎするものもなかった。水は死んでいた。野営した影は、森の道を離れてはいなかった・・・・」(渋沢孝輔訳)。訳もいいのかもしれない。

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