2010年1月4日月曜日

猫を抱いて象と泳ぐ

1/1の0時を過ぎて読み終わった。
途中で読むのをやめていてやっと読み終わった。
結末で、こんなに小説で涙したのははじめてかもしれない。
ひとことでいえば、「チェスの詩」かもしれない。
静けさのある詩的宇宙。
村上春樹の小説と似た気配やにおいを感じる。
温かさや”足りる”ということを感じることの大切さを思う。
小説は創造力である。
2010年の一冊目は今年のベスト候補!
この小説にはたくさん不思議な仕掛けがある。
「大きくなりすぎて屋上から降りられなくなった象のインディラ」
「隣の壁の隙間に入り込んで出られなくなった女の子」
「垢にまみれた布巾を手放せない老女」
「上唇とした唇がひっついて生まれた主人公」
「慌てるな坊や」という男のセリフ
「テーブルチェス盤の下に潜り込んでチェスを指す少年」
「太りすぎてバスの運転席に座れなくなったマスター」
「人形を操ってチェスを指す」
これらの奇妙な仕掛けが世界をつくっている。

0 件のコメント: