2008年10月1日水曜日

「日本人が知らない松坂メジャー革命」

熱狂的なレッドソックスファンであり、大学院で日本社会史を勉強し、バーバード大学教授になり、妻は日本人である親日家のアメリカ人が松坂大輔の大リーグ1年目の挑戦をつぶさに記録した本である。
ここで彼が言いたいことのひとつは、“大リーグへの挑戦で大事なことは、大リーグでのプレイスタイルに対するちょっとした適応力”ということである。
1年目の松坂は15勝12敗だった。日本人にとっては物足りない数字だった。しかし、そこに筆者は大変な松坂と周囲の努力があって1年目の結果になったということを伝えたいのだ。野茂が、イチローが、いかにもたやすく1年目から結果を出したように見えるから、松坂ならもっとやれるはずという期待が日本人にはあったと思う。個人的には野茂はフォークボール、イチローは世界でも屈指のバットコントロールという飛び向けたものを持っていた。それと比較すると松坂はちょっと違う。これまで日本で通用していたものを大リーグで通用するようにアジャストすることが必要なタイプのピッチャーだと思う。そこに松坂と周囲の努力があった。
しかし、2年目の松坂はすごい。18勝3敗だ。3つしか負けていない。三振は減ったが、防御率は昨年の4.40から2.90へ飛躍的に向上。それでいて試合数は32試合から29試合とほぼ同じ。しかし一方、投球回数は200回オーバーから167回ほどにグッとダウン。ベンチも含めいろいろ工夫を重ねたことの結果が、今年の素晴らしい成果になったと思われる。1試合あたりの投球回数が少ないのは来年への課題だ。そして、今年の松坂を著者はどのように書いてくれるのだろうか。
おまけだが、岡島の今年もすごい。昨年とほぼ同じ64試合を投げ、失点もほぼ同じ18点で防御率は2.61だ。レッドソックスが上手に日本の二投手を使っていることがわかる。
最後に私より3つ年上の筆者が愛するレッドソックスは、筆者が子供の頃は常勝のヤンキースに対して、万年下位のチームだったそうだ。負け犬をずっと応援し続けなければならないと思っていたのが解放されたのが15歳のとき。この年優勝。私が応援していた阪急もまた万年下位球団だった。歓喜は75年。私が20才のとき。マウンドには山田久志がいた。西宮に一人で見に行ったなあ。今阪急はなく、筆者はうらやましい。

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