2009年2月12日木曜日

世界潮流の読み方

「世界潮流を読む」とは大変なことである。寺嶋実郎さんもそういうことができる一人かもしれないが、この著書の元エコノミスト誌編集長の作者ビル・エモット氏はすごい人物である。「世界を読む」というのはこういうものの見方をするのだという、“目からうろこ”が満載である。気になったフレーズを記す。
・不動産を購入すればアメリカの居住者は誰でも政府から多額の補助金が出る(これはファクト)
・日本の世帯は収入の10~15%を食品にあて、中国では30~40%になる、すなわち、一般的に中国人の方がインフレに怒りを覚えやすい
・アジアは中国、インド、日本とアメリカのバランスが微妙になりつつある
・中国や韓国にとって歴史問題で日本を守勢に回すことは極めてたやすい(こういう風に考えるべきなのか)
・最低賃金制度の実施は雇用を減らす可能性がある
・数年かけて消費者物価や一般賃金の上昇を上回る率で、計画的かつ地道に最低賃金を引き上げていけば、消費拡大をもたらし、雇用への打撃を緩和する(この論はとりわけ素晴らしく、”目うろこ”である。日本でこれが出来るのはやはり優秀な官僚しかいないのか)
・可能なら市場で、必要なら国家で
・日本の成長モデル:製品と部品の貿易の自由化/多額の投資に対処するため国内預金を増やす/国内市場での競争/政治的・社会的安定/教育/輸出を増進するための安価な為替相場の維持
・アメリカでの国家全体のアイデンティティは”多様性”にある・・・だからオバマ
・物事が間違った方向に進むと、アメリカ人は本能的に再生や刷新、変革を求めようとする(そんな素晴らしい人たちなのかとは思うけれど・・・)
・イギリスでは取締役会が、法律によって企業の利益を長期的に守ることを義務付けられている
・ダミング・ダウン(知的水準の低下)の時代

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