2009年6月28日日曜日

「少し変わった子あります」森博嗣

静けさの中に奇妙な空気感・風合いを作った不思議な小説。「スカイクロラ」にも空気感が似ている。まずもって設定が面白い。食事をしにいくのだが、食事と同時に用意される食事の相手の食事する仕草の美しさが、メインディッシュである。箸の使い方。茶碗の持ち方・・・、相手の食べ方でずいぶん食事の気持ちよさは変わることを教えられる。3つめの「ほんの少し・・・」が特にいい。右手の箸使い、それに添えられる左手の形、手首の角度、指の運び・・・・、「仕草」というのは食べる時だけに使う言葉ではないが、改めて人間の仕草の美しさ、魅力ということが気になった。

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