2009年4月5日日曜日

「暴走する資本主義」

ずいぶんと読むのに時間がかかってしまった。仕事の忙しさと花粉のせいだ。
「民主主義の力が弱まりつつある資本主義、超資本資本主義、グローバル化した資本主義」というのがこの本のコアコンセプトである。
資本主義と民主主義が共存していた幸せな時代の終焉。民主主義が資本主義をコントロールできなくなった、特にグローバルな資本主義に対しては無力である。
民主主義は資本主義には必ずしも必要ではないのではないかという議論さえもある。資本主義は公正さよりも効率性に重きを置いていることは明白である。
公正さは数字で推し量れない。
これからの社会で両立は可能なのか、ではなく、両立できなければ破綻であり、何のための資本主義かということになろう。日本の企業が中国で生産し、商品は安くなる。消費者にとってはありがたいことかもしれないが、働く場所は確実に減っている。これでいいのか?企業としては利益を考えると、中国に進出して生産コストを引き上げるしかないことは明白だ、国が国内労働力を使うことで、経済的に支援するのか?
また、素晴らしいとされてきた経営者の多くが、人員カットやコスト削減で企業を立て直した人物ダルことには注意しなければならない。カルロス・ゴーンは日産を立て直したとされるが、何を生み出したのだろうか。コストカットも人員削減も、工場閉鎖も外人だから出来たということに過ぎないともいえる。日産にどんな新しい付加価値を創造したといえるだろうか?ハイブリッドカーで遅れをとり、である。そういうCEOを持ち上げるのはやめよう。CEOの高い報酬を正当化するためにこのような書籍が発刊されているかもしれないのだ。
とにかく、市場原理が絶対だという考え方は修正が必要である。
そして、この問題は強固な国際協調の下でなされない限りうまく解決できない問題であることも明白だ。

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